こんなことをしています。「近臨技臨床化学検査研修会」
天理よろづ相談所病院 臨床病理部 藤本一満
近臨技臨床化学検査研修会の誕生
10年前に現代の臨床化学検査において何が必要なのかを考える集団が形成されました。メンバーは近畿の2府5県の臨床化学部門長および臨床化学検査に精通した技師ら約10人です(通称、近臨技臨床化学検査分野)。このメンバーが中心となって年に一度、臨床化学に関する新しい知識・技術、疾患、日常遭遇するピットホールなどタイムリーな話題をとりあげ、一泊二日の研修会を開催することにしました。
最近3年間の研修会内容
以下に最近3年間の研修会内容を示します。いずれも興味ある内容で、参加人数はおよそ80〜100人でした。
第8回(奈良開催)【内容】1.腎疾患について: 腎疾患治療と臨床検査の関わり。2.身近な問題について考える: 遠心と採血管と検査データ。3.卒後教育について。4.検査室の外における検査技師の活動紹介。5.多点検量を知る。6.新しい技術紹介。7.今後の遺伝子検査。
第9回(滋賀開催)【内容】1.BNPの臨床的意義について。2.BNPを導入して。3.トロポニンTについて。4.各種心筋マーカーについて−FABPとトロポニンTを中心に−。5.臨床における心筋マーカーの実用性。6.国際厚生事業団主催、疫学・HIV/AIDS分野研修会参加報告。7.アジア臨床検査研修を通して−検査技師のキャパシテイビルデイングの構築について−。8.評価される検査室ISOからみた新たな検査室つくりを考える。9.生化学及び免疫測定装置の技術の発達と今後。10.臨床化学における2つの大きな潮流・データベース構築のための臨床検査の標準化・テレーサビリティおよび不確かさの算出。
第10回(福井開催)【内容】1.脂質検査(small dense LDL)と臨床。2.POCTと在宅検診。3.AMY及びCh-E基準範囲設定に関する報告会。4.日常検査のピットホール座談会。5.誰にでもわかる測定の不確かさ。6.各都道府県検査データ共有化組織体制について。7.データマイニングを利用した臨床検査診断。8.周術期の血栓症対策。9.NSTの現状と問題点
メンバーの一人として
当初からメンバーの一人として活動を続けてきて思うことは、臨床化学検査分野というのは非常に広い分野で、たくさん勉強することがあるということ。腰を据えて互いに情報交換をする場が必要であるということ。さらに、これからもこの活動を続けていく必要があるということである。二日間同じ屋根の下で勉強し、語りあうことで得るものはたくさんあります。是非、参加してみてください。参加料は15,000円程度です(宿泊料込み)。第11回は大阪で開催(平成19年2月)されます。参加に関してご不明な点は私にご連絡下さい。またこの研修会とは別に臨床化学検査実技研修会を開催しております。今年度(第3回)は京都大学保健学科で開催(平成19年3月)します。参加料は3,000円です。参加お待ちしております。